年末調整のポイント【前編】 ~法人税申告決算は大阪の福永会計事務所~

今年も年末調整の季節が近づいて来ました。
ご存知のとおり、年末調整とは、給与の支払者が、給与の支払いを受ける人について、その年中に支給が確定した給与の総額から納める年税額を算出し、その年税額と毎月(日)の給料や賞与などから既に徴収した源泉所得税額の合計額を比べて過不足額を精算する事務をいいます。

そこで、前編では、平成21年分の年末調整から適用される主な改正点について、後編では年末調整で間違えやすい点、チェックポイントを記載します。

住宅借入金等特別控除について、平成20年度の税制改正により次の特例が設けられました。
平成20年分の確定申告において、これらの特例による控除の適用を受けた人は、本年分以降の年分については、一定の手続きにより、年末調整の際に控除の適用を受けることができます。
なお、住宅借入金等特別控除は、平成21年度の税制改正においても一部改正されていますが、ここでは、平成21年分の年末調整で適用される平成20年度の税制改正事項に基づき記載します。
また、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除制度の創設に伴い、給与所得の源泉徴収票の記載事項に関する所要の整備がされました。

Ⅰ 省エネ改修工事等に係る特定増改築等住宅借入金等特別控除の控除額の特例の創設
居住者が、自己の居住の用に供する家屋について省エネ改修工事(注1)を含む増改築等(以下「省エネ改修工事等」といいます。)を行った場合において、当該家屋を平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件(注2)の下で、添付図1にある増改築等住宅借入金等の年末残高の限度額、控除率及び控除期間の特例について、増改築等に係る現行特別控除又は税源移譲対応特例との選択が可能。(添付図1をご確認ください)

(注1) 省エネ改修工事とは、①居室のすべての窓の改修工事、又は①の工事と併せて行う②床
の断熱工事、③天井の断熱工事若しくは④壁の断熱工事のいずれかに該当する工事であって、
次に掲げる要件を満たすものをいいます。
イ 改修部位の省エネ性能がいずれも平成11年基準以上
ロ 改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容

(注2) 一定の要件とは、次に掲げるものをいいます。
イ 住宅借入金等の償還期間が5年以上
ロ 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づ
く指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する省エ
ネ改修工事等の証明書の交付がされること
ハ 省エネ改修工事に係る費用の合計額が30万円を超えるもの
ニ その他増改築等に係る現行特別控除と同様の要件を満たすこと

Ⅱ 住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等の範囲が拡充
省エネ改修工事が現行特別控除及び税源移譲対応特例の対象となる増改築等の範囲に追加されました。この改正は、増改築等を行った家屋を平成20年4月1日以後に居住の用に供する場合に適用。

Ⅲ 給与所得の源泉徴収票の記載事項に関する所要の整備
個人住民税における住宅借入金等特別税額控除制度が創設されたことに伴い、給与所得の源泉徴収票の摘要欄について、居住年ごとの「居住開始年月日」、「住宅借入金等特別控除可能額の金額」等の記載に関する所要の整備がされました。
この改正は、平成21年4月1日以後に提出又は交付する給与所得の源泉徴収票に適用。
(注) 詳しくは、「平成20年6月源泉徴収のあらまし(国税庁)」、「平成21年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」などでご確認ください。