節税対策vol.13

【その他節税】節税:在庫をきちんと管理する!!

卸・小売業などを営んでいると、必ず在庫(棚卸資産)が発生しますが、この在庫の管理が節税対策に結びつきます。在庫は、「商品」という資産の勘定科目になりますので、資産が多いということは利益が増加することになります。
利益が大きくなるということは、つまり税金の負担額も大きくなってしまいます。
在庫が多いと、保管料や保険料といったコストもかかりますが、逆に、少なすぎて在庫切れをしてしまい、せっかくの製造、販売のチャンスを棒に振るようなことがあっては残念です。在庫(棚卸資産)の適正値を知るための計算方法には次のようなものがあります。
●棚卸資産回転率(在庫回転率)
会社が在庫を、どの程度のレベルまで効率的に減少させているかを表す比率。在庫回転率とも呼ばれており、商品別に計算して、商品の優劣を判定する指標の一つとして用いられます。回転率が高いほど、仕入から販売までの期間が短く、効率的に在庫が管理されていることを示しています。
  棚卸資産回転率 = 売上原価 ÷ 棚卸資産

●棚卸資産回転期間(在庫回転期間)
一般的に在庫回転期間と呼ばれています。効率性分析の一指標として用いられますが、棚卸資産が売上原価に占める割合を表します。短いほど良いとされています。
例えば、この計算式で算出された数字が30だとすると、仕入から販売されるまでの在庫期間は「30日(1ヶ月)」と分析できます。
 棚卸資産回転期間(日)  :  棚卸資産 ÷ (売上原価 ÷ 365) 

※各業種の棚卸資産回転期間(日)

平成15年度
平成16年度
平成17年度
建設業
15.0日
15.5日
14.8日
製造業
14.0日
14.3日
13.8日
情報通信業
4.3日
4.2日
3.6日
運輸業
0.3日
0.3日
0.3日
卸売業
19.2日
19.1日
19.7日
小売業
26.4日
26.5日
26.4日
不動産業
42.5日
36.8日
43.6日
飲食・宿泊業
2.8日
2.8日
2.9日
サービス業
2.8日
2.6日
2.6日

●参考:「「中小企業の財務指標」(概要)」中小企業庁
平成17年度 
平成16年度 
平成15年度 

在庫(棚卸資産)は、税務調査で最も注目される項目の一つです。これは、内部での利益調整が簡単に行えるため、きちんとモレなく計上されているか、単価や数量が少なく申告されていないかなど細かくチェックされます。決算時にまとめて行うケースが多いのですが、できれば毎月きちんと管理すると、正確な利益も把握できますし、無理のない節税を行うことができます。